4 議員年金財政の悪化に伴う給付と負担の見直し

(1)平成14年改正

 共済給付金の給付に要する費用は、会員の掛金と特別掛金、そして地方公共団体の負担とで賄われています。共済年金財政は、主に共済会の給付の実績や将来の給付に要する費用の予想額に照らしながら掛金率等を引き上げてきたことによって、その均衡を保ってきました。しかし、議員定数の削減により会員数は減少する一方、年金受給期間が延びたこともあり、議員年金財政は掛金・特別掛金と公費負担のみでは給付を賄うことができない状況となりました。このため、平成12年12月から地方議会議員年金制度検討会において共済年金財政安定化への対応策が検討され、その検討結果を踏まえ、平成14年の第154回国会における法の改正(平成14年5月10日法律第37号)等により平成15年4月1日から給付と負担を見直す制度改正が行われました。

 改正された点は、@改正後の退職者の退職年金、退職一時金等の給付水準を従来の8割に引き下げる、A掛金率を100分の12、特別掛金率を100分の2、負担金率を100分の10に引き上げる、B退職年金の年額の算定基礎を退職前12年間の標準報酬月額の総額をもとにした平均標準報酬年額とする、C他の公的年金制度との重複期間に係る控除率を100分の40に引き上げる、D高額所得による退職年金の支給停止基準額を217万6,000円に引き下げる、などです。

 なお、この改正では経過措置が設けられ、@制度改正前に議員歴のある者の退職年金および制度改正前から引き続き議員である者の退職一時金の給付水準は従来の9割、A平成17年3月までの特別掛金率は100分の2.5、とされました。

(2)平成18年改正

 平成15年の改正時点では流動的で確たる見込みを立てることのできなかった市町村合併が一段落したことを受けて、平成17年7月から改めて地方議会議員年金制度検討会において市町村合併の進展に伴う年金財政の悪化への対応策等が検討され、平成19年4月1日から再び給付と負担を見直す制度改正(平成18年6月14日法律第63号)が行われました。

 改正された点は、@退職年金、退職一時金等の給付水準を平成15年改正の水準から更に12.5%(既裁定者は10%)引き下げる、A掛金率を100分の13に引き上げる、B在職加算年数の上限を在職50年から在職30年に引き下げる、C高額所得による退職年金の支給停止基準額を190万4,000円に引き下げる、などです。

 なお、この改正では前回(平成15年4月1日)同様、経過措置が設けられ、@平成19年3月以前の議員歴のある者、A平成15年4月以後平成19年3月以前に退職した者、B平成15年3月以前に退職した者という区分で、退職の時期に応じた段階的給付水準とされました。

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