全国都道府県議会議長会

1 地方創生の推進について

令和6年10月31日 決定

地方においては、人口減少と少子高齢化が急速に進行しており、地域の活力が低下し、様々な社会的・経済的な課題が生じている。

 この10年間、国及び地方公共団体は地方創生に取り組んできたところであるが、昨年の出生数は約72万人で過去最少、合計特殊出生率も1.20で過去最低となるとともに、東京圏への転入超過も続いている。地方から女性や若者の流出が続けば、地方の社会的・経済的な課題は更に深刻化することとなる。

 このため、政府は地方創生に関する新たな基本構想を早期に策定し、女性や若者に選ばれる地域づくりを一層強力に推進していく必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) 地方拠点強化税制の継続・拡充、東京圏から本社を移転した企業への交付金制度の創設、サテライトオフィスの設置等の取組により、企業や大学の地方移転を推進すること。

また、地方創生移住支援事業・起業支援事業について、移住対象者の拡大、移住元の地域の拡大、就業や起業の要件緩和など、実施状況を踏まえた運用の弾力化等を図るとともに、制度の周知を充実すること。特に、地方就職学生支援事業については、補助対象に地方への転居費用を追加する等、拡充を図ること。

(2) 地方がその実情に応じた取組を継続的かつ主体的に進めていけるよう、地方財政計画において「地方創生推進費」及び「地域社会再生事業費」を拡充した上で継続すること。

また、東京圏での地方移住への関心の高まりを、新しい人の流れの創出につなげるため、地方創生に関する交付金を大幅に拡充すること。

加えて、人口急減に直面している地域において農林水産業、商工業等の地域産業の担い手を確保するための「特定地域づくり事業推進交付金」については、安定的かつ継続的に確保すること。

(3) 政府関係機関の地方移転の更なる促進を図るため、適切な数値目標を掲げ、地方からの新たな提案の募集を実施する等の政策を着実に推進すること。

(4) 令和6年度に期限を迎える企業版ふるさと納税については、企業が寄付を通じて地方創生に参加することで、地方創生を持続可能な取組とするものであることから、適用期限を延長すること。