全国都道府県議会議長会

5 包摂社会の実現に向けた取組について

令和6年10月31日 決定

社会構造の変化により家族や地域、職場等における人と人とのつながりが希薄化し、孤独・孤立の問題などが深刻化しており、誰ひとり取り残さず、相互に支えあう包摂的な社会の実現が求められている。

 このため、国と地方が連携し、孤独・孤立対策、女性活躍、認知症施策などの取組をより一層推進していく必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) 孤独・孤立対策については本年6月に策定された重点計画に基づき、相談窓口の整備、アウトリーチ型の支援、支援団体・個人に対する支援等の充実を図るとともに、孤独・孤立対策推進交付金など地域の実情に応じた取組を支援するための各種支援の充実を図ること。

特に、地方公共団体等による自殺防止の取組に対する財政支援を充実するとともに、若者や女性へのきめ細かい支援を講ずるなど、自殺防止対策を強化すること。

(2) 女性がデジタル分野をはじめ各分野においてより一層活躍できるよう、新たなスキルの習得への支援を充実するとともに、テレワークなど柔軟な働き方を促す就労環境の整備等を推進すること。

(3) 認知症の人を含めた国民一人一人が相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する社会を実現するため、認知症基本法に基づき、国と地方公共団体が一体となり、認知症の予防に資すると考えられる運動不足の改善、生活習慣病の予防等の取組を推進するとともに、認知症の人の社会参加の機会確保や意思決定の支援、本人や家族の相談体制の整備、認知症の研究推進、正しい理解の促進などの認知症施策を推進すること。

(4) 勤労者皆保険を実現するため、企業規模要件の撤廃など短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大や個人事業所の非適用業種の解消を早期に行うこと。

 また、個人事業主であっても実態は雇用に近い働き方をしているフリーランス・ギグワーカーなどの社会保険の適用の在り方についても早期に検討を進めること。