3 企業の地方移転と雇用創出の推進について
持続可能な地域社会を構築するという地方創生の目的を実現するためには、女性や若者の地方への定着を促進する支援の充実や、定住に必要な雇用の場となる産業の振興を図ることが重要である。特に、地方では人口減少と少子高齢化によって地域社会の活力が低下していることから、雇用の創出を促進する必要がある。
一方、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢の影響により、世界規模でのサプライチェーンの寸断が拡大し、特定の国・地域に生産拠点が集中する体制の脆弱性が顕在化したことから、経済安全保障を確保するためにも、地方に生産拠点を設置し、新たなサプライチェーンを構築、強化することで、地域に雇用を創出するという、地方創生の観点からの施策が必要である。
よって、次の措置を講ぜられたい。
(1) 女性や若者を中心とする多様な人材がやりがいを持ってその能力を発揮でき、都市部に引けを取らない給与水準を持つ魅力的な雇用が地方で創出されるよう、企業の地方移転や地方にある企業の機能強化に対する支援の拡充、企業誘致の取組に対する支援の拡充、地域の新事業創出に向けた総合的支援策の充実強化など地域経済の再生と更なる発展に資する施策を推進し、女性や若者等の地方への定着を図ること。
(2) 特定国・地域に過度に依存しないサプライチェーンを構築するため、生産拠点を国内に回帰させる取組を促進するとともに、その際には、東京圏一極集中の是正を図るため、地方の生産拠点機能を強化させる取組を推進すること。
また、サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金については、中小企業への支援の拡充・継続を行うこと。
(3) 経済安全保障の観点から、半導体産業等の成長産業について、地方への産業立地や、産学官連携による人材育成等に関する支援を強化すること。