1 地方創生の推進について
地方においては、人口減少と少子高齢化が急速に進行しており、地域の活力が低下し、様々な社会的・経済的な課題が生じている。
これまで、国及び地方公共団体は地方創生に取り組んできたところであるが、昨年の出生数は約68万人で過去最少、合計特殊出生率も1.15で過去最低を更新するとともに、東京圏への転入超過も続いている。地方から若者や女性の流出が続けば、地方の社会的・経済的な課題は更に深刻化することとなる。
このため、政府は6月に閣議決定した「地方創生2.0基本構想」に基づき、若者や女性に選ばれる地域づくりを一層強力に推進していく必要がある。
よって、次の措置を講ぜられたい。
(1) 地方拠点強化税制の拡充、東京圏から本社を移転した企業への交付金制度の創設等により、企業や大学の地方移転を推進すること。
また、地方創生移住支援事業・起業支援事業について、移住対象者の拡大、移住元の地域の拡大、就業や起業の要件緩和など、実施状況を踏まえた運用の弾力化等を図るとともに、制度の周知を充実すること。
(2) 地方がその実情に応じた取組を継続的かつ主体的に進めていけるよう、地方財政計画における「地方創生推進費」及び「地域社会再生事業費」を拡充した上で継続するとともに、「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を最大限活用できるよう交付対象の拡大、申請手続の簡素化等の弾力的で柔軟な取扱いを図ること。
加えて、人口急減に直面している地域において農林水産業、商工業等の地域産業の担い手を確保するための「特定地域づくり事業推進交付金」については、安定的かつ継続的に確保すること。
さらに、住民が住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるよう、買物環境の維持・確保に向けた取組を推進すること。
(3) 東京圏一極集中による災害リスクを軽減する観点からも、政府関係機関の移転について地方からの提案を待つことなく、自ら具体的な検討を行うこと。
(4) 企業版ふるさと納税については、官民が連携して地方創生に資する取組を継続する上で重要な制度であることから、更なる拡充を図ること。