1 地方創生の推進について
地方においては、人口減少と少子高齢化が急速に進行しており、地域の活力が低下し、様々な社会的・経済的な課題が生じている。
これまで、国及び地方公共団体は地方創生に取り組んできたところであるが、昨年の出生数は約67万人で過去最少、合計特殊出生率も1.14で過去最低を更新するとともに、東京圏への転入超過も続いている。地方から若者や女性の流出が続けば、地方の社会的・経済的な課題は更に深刻化することとなる。
このため、政府は地方の意見を十分反映しながら新たな総合戦略を策定し若者や女性に選ばれる地域づくりを一層強力に推進していく必要がある。
よって、次の措置を講ぜられたい。
(1) 地方拠点強化税制の拡充、東京圏から本社を移転した企業への交付金制度の創設等により、企業や大学の地方移転に向けた税財政上の支援を充実すること。
(2) 地域未来交付金(地域未来推進型移住・起業・就業事業))について、移住対象者の拡大、移住元の地域の拡大、就業や起業の要件緩和など、実施状況を踏まえた運用の弾力化等を図るとともに、
制度の周知を充実すること。
また、大学への進学等をきっかけとした若者の人口流出に歯止めをかけるため、地域内での進学・就職を支援すること。
なお、令和9年度末で期限を迎える地方大学・産業創生法に基づく東京23区の大学の収容定員の抑制措置の延長の検討に当たっては、成果や課題等を丁寧に分析しながら進めること。
(3) 地方がその実情に応じた取組を継続的かつ主体的に進めていけるよう、地方財政計画における「地域社会再生事業費」を拡充した上で継続するとともに、「地域未来交付金」については、一層充実確保した上で、最大限活用できるよう交付対象の拡大、申請手続の簡素化等の弾力的で柔軟な取扱いを図ること。
(4) 都道府県域を超えて地方公共団体、経済団体、大学など官民の多様な主体が地域の成長やイノベーションの創出に向けて産業政策や観光振興等に取り組む広域リージョン連携については、地域未来交付金等による幅広い財政支援や規制緩和など省庁横断的な支援により強力に推進するとともに、戦略産業クラスターの形成や地域産業クラスター等の推進に当たっては、民間投資を引き出す大規模な投資やインフラ整備への支援等の施策を充実すること。
(5) 人口急減に直面している地域において農林水産業、商工業等の地域産業の担い手を確保するための「特定地域づくり事業推進交付金」については、安定的かつ継続的に確保すること。
また、住民が住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるよう、買物環境の維持・確保に向けた取組を強化すること。
さらに、地域コミュニティの維持・活性化の最大の課題の1つともいえる地域の担い手不足に対応するため、地域人材の掘り起こしや育成のほか、「ふるさと住民登録制度」等による外部人材の活用、移住・定住の促進、関係人口の創出・拡大に係る支援を一層充実させること。
(6) 東京圏一極集中による災害リスクを軽減する観点からも、政府関係機関の移転について地方からの提案を待つことなく、自ら具体的な検討を行うこと。
また、国家社会機能の継続性確保や多極分散型経済圏の形成に向けた取組を推進すること。
(7) 企業版ふるさと納税については、官民が連携して地方創生に資する取組を継続する上で重要な制度であることから、更なる拡充を図ること。
