全国都道府県議会議長会

社会の要請に対応した県議会を目指して

議長写真
令和7年2月
青森県議会議長

丸井 裕




 青森県議会議長の丸井裕です。
 
 近年は、人口減少や高齢化の進行など社会環境が大きく変化しています。
 
 これに伴い、住民ニーズや地域課題が多様化・複雑化するなかで、議会がその役割を果たし、地域の合意形成を図っていくためには、多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現が重要であり、これは社会の要請でもあります。
 
 この要請に応えるため、当県議会では、議会のデジタル化や情報発信の強化、選挙区等の見直しの検討など、着実に取組を進めています。
 
 まず、デジタル化への端緒として、今2月定例県議会から試行的に、タブレット端末の配付・活用により、議案など議場での配付資料のペーパレス化を図ることとしました。
 
 さらに、住民の利便性向上のため、請願書や陳情書をオンラインにより提出できるよう制度を整え、4月から運用を開始することとしたところです。
 
 また、多様な人材の参画を促すためには、住民の議会への理解を深め、関心を喚起することが欠かせないことから、まずは、若者をターゲットに、議会広報誌のデザインを一新し、屋外の大型ディスプレイ広告板でそのPR を行うとともに、SNS を活用した情報発信の強化を行ったところです。
 
 この他、検討の途上ではありますが、平成18年以来見直しのなかった、次期県議会議員選挙に向けた選挙区等の見直しの検討にも着手しています。投票率の低迷や議員のなり手不足などの課題が顕在化する中、1人区の解消などにより、多様な人材が議会に参画しやすい環境整備の一助となることを期待しているところです。
 
 以上のような取組は、議会が正常に活動を継続しているということが大前提となります。本県においても、今冬は災害級の大雪に見舞われ、経済的な損失のみならず、尊い人命も失われましたが、近年頻発する自然災害等に備え、不測の事態に直面した場合でも、議会が活動を継続し、その責務を果たせるよう、昨年10月に「青森県議会業務継続計画」を策定したところです。
 
 最後に、今年の干支である巳年は、再生と変化・成長を象徴する年とも言われます。人口減少や高齢化、激甚化する災害など、地域社会を取り巻く環境が更に厳しさを増す中で、脱皮を繰り返しながらより強く成長していく蛇のように、時代の変化に対応し、困難があっても常に前進していける県議会を目指していきたいと思います。

青森県議会議長
丸井 裕(まるい ゆたか)

生年月日

昭和31年12月8日

主な経歴

平成18年2月〜
青森県議会議員(現在6期目)
商工労働エネルギー委員会、環境厚生委員会、予算特別委員会、農林水産委員会、商工労働観光エネルギー委員会、総務企画危機管理委員会の各委員長を歴任
令和5年5月
第84代青森県議会議長に就任