全国都道府県議会議長会

梅雨前線に伴う大雨による土石流災害に関する決議

令和3年7月14日 決定

 梅雨前線の影響により令和3年7月1日から降り続いた雨は、東海や関東地方で記録的な雨量となり、7月3日に、熱海市で大規模な土石流を引き起こし、多くの住宅等が流失し、多数の死傷者が出るなど甚大な被害が発生した。

 また、その後も、中国地方や九州地方で土砂崩れや河川の氾濫を引き起こし、人的被害とともに、住宅被害等が発生している。

 被災した地方公共団体では、早期の復旧に向けて懸命に取り組んでいるが、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、今回の事態に対応するためには、国の緊急かつ重点的な支援が不可欠である。

 また、熱海市における土石流の起点付近には大量の盛土が確認されており、そのほぼ全てが崩落し流出したと見られており、集中豪雨等による自然災害が頻発化・激甚化する中、全国各地における盛土についても、土石流の要因となる可能性や被害を拡大させる危険性があることから、一刻も早く十分な対策を講ずる必要がある。

 よって、国民の生命と安全で安心な暮らしを守るため、早急に次の措置を講ぜられたい。

1 行方不明者の早期発見に努めるとともに、被災者の救援や被災地の復旧を支援すること。また、地元自治体との連携の下、今般の土石流の原因解明を図ること。

2 盛土に関して全国統一の安全基準を設けるとともに、規制の強化を含めた法制度の整備を図ること。

3 全国の盛土の安全点検を実施するとともに、盛土に関係する土石流災害の発生防止対策を実施すること。

4 大雨による土石流対策を強化するために、技術的・財政的支援を一層図ること。

 以上、決議する。

  令和3年7月14日

全国都道府県議会議長会