全国都道府県議会議長会

地方議会の団体意思決定機関としての位置付けを明確に規定する地方自治法の改正等の早期実現を求める決議

令和3年10月28日 決定

 地方議会は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立、人口減少社会への対応、脱炭素社会の実現、防災・減災対策や国土強靱化、農林水産業の活性化等、直面する様々な課題の解決に向け、民意を反映する地方公共団体の意思決定機関として、精力的に活動している。

 こうした実態がある一方、地方議会については地方自治法上「議会を置く」としか規定されていない。

 本会をはじめとする三議長会は、議会の位置付け等を法律上明確化すること、議員の職務等を法律上明確化すること、厚生年金への地方議会議員の加入や立候補に伴う企業等による休暇の保障など立候補環境の改善のための法整備を行うことなどについて国に要請を行ってきた。

 特に、議会の位置付け、議員の職務等を地方自治法に規定することは、議会・議員の団体意思を決定する責任が明確化されることに加え、議会・議員の重要な役割について住民から理解を得る契機となるとともに、女性や若者等多様な人材の議会への政治参画につながるものとなるため、令和5年の統一地方選挙までに実現することが極めて重要である。

 さらに、第32次地方制度調査会答申における議員のなり手不足に対する当面の対応として挙げられた請負に関する規制の緩和などについても早急に法改正が必要である。

 また、デジタル技術の活用などにより、平時・コロナ禍等にかかわらず、議会機能を十分に発揮するとともに、多くの住民の声を反映した議会審議を行っていくことが重要であるが、その実現には、技術的・財政的な課題がある。

 よって、特に重要かつ喫緊の次の事項については、必要な地方自治法改正等を早急に実現するよう強く求める。

1 議会の団体意思決定機関としての位置付け等を法律上明確化すること。

2 議員の職務等を法律上明確化すること。

3 議員の請負禁止の範囲を明確化し、請負に関する規制を緩和するための法改正を行うこと。

4 議会の招集日に議員の応招が困難となった場合、招集日の変更を可能とすることを法律上明確化すること。

5 立候補に伴う企業等による休暇を保障し、不利益な取扱いを禁止するための必要な法改正を行うこと。

6 議会のデジタル化への取組について技術的・財政的に支援を行うこと。

 以上、決議する。

  令和3年10月28日

全国都道府県議会議長会