全国都道府県議会議長会

3 道路の整備促進について

令和3年10月28日 決定

 道路は、災害時における交通の確保、救急医療、通勤、通学など住民が安全で安心な生活を営んでいくために必要不可欠な生命線であり、さらには、地域振興や地域経済の活性化のために、優先的に整備すべき社会資本である。

 しかしながら、地方の道路整備は、いまだ立ち遅れている状況にあり、大規模災害に備えた国土強靱化の観点からも、引き続き道路整備予算の充実を図るとともに、道路網の整備を重点的かつ計画的に推進する必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

 (1) 極めて厳しい地方財政の状況及び地方の道路整備の必要性等に鑑み、地方において必要な道路整備を確実に行えるよう、道路整備予算を十分確保すること。

    また、道路整備の事業評価については、災害時の代替路の確保、救急医療への対応、観光客の増加など、整備による多様な効果を総合的に評価し、事業の必要性を適切に判断する仕組みについて更なる検討を行うこと。

 (2) 高速自動車国道の整備については、ミッシングリンクを解消し、早急に全国的なネットワークを形成するため、国の責務として重点的かつ計画的に推進すること。

    特に、暫定2車線区間の4車線化を含め、整備計画区間の早期完成を図るとともに、基本計画区間及び予定路線区間についても、早急に整備計画等を策定し、事業を推進すること。

 (3) 一般国道自動車専用道路の整備を促進すること。

 (4) 高規格幹線道路網を補完し、地域の自立的発展や地域間の連携を支える地域高規格道路の整備を促進すること。

 (5) 平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、物流上重要な道路輸送網を指定する重要物流道路及びその代替・補完路については、都道府県が策定した広域道路交通計画を反映して事業中・計画中の区間を含めて指定を行い、指定した道路の機能強化、整備を図ること。

 (6) 高速道路料金制度の見直しに当たっては、料金水準見直しによる発現効果等も検証しながら、物流コストの低減や地域間の交流促進に結びつくよう、更なる引下げを行うこと。

    また、新型コロナウイルス感染症の収束後、観光業等の需要喚起を図るため、臨時的な割引制度の創設などの取組を実施すること。

 (7) 通学路において児童が死傷する交通事故が後を絶たず、高齢運転者等による事故も多発していることから、事故防止、被害軽減を図るため、歩道、防護柵、速度を抑制するハンプ(凸型路面)の設置・拡充、路面標示・看板の設置・改善など交通安全施設の整備、安全運転サポート車や安全運転支援装置の開発促進・普及、高齢者が運転免許証を自主返納しやすい環境の整備を促進すること。