全国都道府県議会議長会

8 所有者不明土地、空き家対策の充実強化について

令和3年10月28日 決定

 地籍調査によると、不動産登記簿等の所有者台帳により所有者が直ちに判明しない土地の割合は、国土の約2割に達すると推定され、所有者は判明したものの連絡がつかない事例も多く、公共事業のみならず民間事業においても、その土地を取得・利用しようとする際に支障が出ている。

 また、平成30年度の住宅・土地統計調査によると、空き家の数は約848万戸と過去最多となり、全国の住宅の13.6lを占めている。

 所有者不明土地や空き家は、適切に管理されていない場合が多く、景観や治安の悪化、土砂災害等に対する防災性の低下、不法投棄等の発生も危惧されており、人口減少や少子高齢化に伴い、急速に全国に拡大しているため、その対応は急務である。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

 (1) 本年5月に閣議決定された「土地基本方針」に基づき、土地の適切な利用、管理、流通等を促進すること。

    また、地籍調査が円滑かつ迅速に行えるよう、「国土調査事業十箇年計画」(令和2年5月閣議決定)に基づき、地域の特性に応じた効率的な調査手法の導入に向けた支援を講ずること。

    なお、地籍調査以外の測量成果の活用を図るため、国土調査法第19条第5項の指定制度について周知するとともに、民間事業者に配慮した手続の簡素化などの見直しを行うこと。

 (2) 空き家の発生や増加の抑制、利活用の推進を図るため、住み替えやリフォームの支援を講ずること。

    また、防災、景観、衛生等の問題がある空き家について、地方公共団体が除却等を円滑に行うことがきるよう、財政支援を充実すること。