全国都道府県議会議長会

地方創生の推進に関する決議

令和4年7月27日 決定

 地方においては、人口減少と高齢化が急速に進行しており、生産年齢人口の減少による様々な社会的・経済的な課題が生じている。

 その要因の一つは、地方から女性や若者が東京圏へ流出しているところであり、このまま続けば、地方の社会的・経済的な課題は更に深刻化することとなる。

 このため、引き続きコロナ禍でみられた地方移住の動きの更なる加速、地方における女性や若者の働きやすい環境の整備及び地方の魅力の向上を推進する必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

1 地方拠点強化税制の拡充、東京圏から本社を移転した企業への交付金制度の創設等の取組により、企業や大学の地方移転を推進するとともに、企業誘致に取り組む地方公共団体に対する支援を拡充すること。

 また、地方創生移住支援事業・起業支援事業について、移住元の地域の拡大、就業や起業の要件緩和など、実施状況を踏まえた運用の弾力化等を図るとともに、制度の周知を充実すること。

2 東京圏での地方移住への関心の高まりを、新しい人の流れの創出につなげるため、デジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生テレワークタイプ)を充実・確保するなど、テレワークを活用した移住等の取組を推進すること。

3 女性が働きやすい環境整備のため、大企業に義務付ける男女間賃金格差の開示の対象企業の拡大及び同一労働同一賃金の更なる徹底を図るとともに、「女性デジタル人材育成プラン」の着実な実施など、男女間賃金格差の解消に向けた取組を推進すること。

4 最低賃金については、都市と地方の格差是正に配慮しながら、全国加重平均1,000円以上の早期実現に向けて取り組むこと。

5 スタートアップが全国で創出され、地方において幅広い仕事ができる社会を実現するため、スタートアップ企業への資金調達支援等を充実すること。

6 メンテナンスなど関連産業が集積し、企業等の地方分散が可能となる洋上風力発電など地方が取り組む再生可能エネルギーの導入拡大や水素社会の実現に向けた取組への支援を拡充すること。

7 地方創生に不可欠な地域間の交流や観光基盤の構築のため、地方におけるインフラ整備を推進するとともに、地域の実情に応じた地域公共交通の維持・確保が可能となるよう支援を充実すること。

 以上、決議する。

  令和4年7月27日

                                       全国都道府県議会議長会