全国都道府県議会議長会

8 国際リニアコライダーの実現について

令和4年7月27日 決定

 国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致は、我が国が標榜する科学技術創造立国と科学外交の実現、高度な技術力に基づくものづくりの競争力強化、更には人づくり革命等を促し、我が国の成長戦略に貢献する極めて重要な計画である。

 また、ILCは国や地域、言語、宗教などの隔てなく、世界中の研究者、技術者が結集する拠点的研究施設であり、その実現による波及効果は日本全国、世界に及ぶものであり、ILCの建設、運用を通して、国際的なイノベーション拠点の形成等が進むことにより、日本の成長にも貢献するものである。

 平成31年3月の日本政府による見解に沿って、海外パートナー国との国際分担等について、アメリカ、ヨーロッパ各国との議論が進められている。また、既にILCに対する支持を表明しているアメリカに加え、令和2年6月に更新された欧州素粒子物理戦略において、ヨーロッパの協力姿勢が明確に示され、さらに、同年8月には、世界の研究者コミュニティによる国際推進チームが高エネルギー加速器研究機構(KEK)を拠点に発足し、ILC実現に向けた取組が進められている。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) ILC計画について、関係省庁横断による連携を強化し、政府全体で推進すること。

(2) ILCの実現に向けて、国際協力による加速器の研究開発費等の予算措置を講ずるなど積極的に対応するとともに、日本政府が主導し国際的な議論をさらに推進すること。