全国都道府県議会議長会

1 地域経済の早期回復について

令和4年7月27日 決定

 我が国経済は、持ち直しの動きがあるものの、GDPはコロナ前の水準に戻っておらず、新型コロナウイルス感染症による国民生活や経済への影響は依然として残っている。

 また、ロシアによるウクライナ侵略の影響による原油価格等の高騰を受け、経済情勢は不確実性を増しており、コロナ禍からの経済社会活動の回復が阻害されかねない状況にあるため、早急に対策を講じる必要がある。

 しかし、地方では、少子高齢化が進む一方で、女性や若者の東京圏への流出が止まらず、経済はもとより地域社会の活力が低下している状況にある。

 この状況を打破し地域経済の発展を図るためには、給与水準を上げ、幅広い業種の仕事を創り出すなど、地方において女性や若者が輝ける環境を創出することが重要であり、引き続き地方の活性化のための施策を強力に進めていく必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) 本年4月に決定した「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を着実に実施するとともに、中長期的に続く物価高騰等を見据えた、生活困窮者支援等必要な対策を実施すること。

(2) 賃金引上げについては一定程度なされてきたが、今後も物価上昇が続くものと見込まれることもあり、引き続き賃上げ政策を促進すること。また、最低賃金については、都市と地方の格差是正に配慮しながら、全国加重平均1,000円以上の早期実現に向けて取り組むこと。

 さらに、女性が働きやすい環境整備のため、大企業に義務付ける男女間賃金格差の開示の対象企業の拡大及び同一労働同一賃金の更なる徹底を図るとともに、「女性デジタル人材育成プラン」の着実な実施など、男女間賃金格差の解消に向けた取組を推進することと。

(3) 科学技術・イノベーションへの投資については、イノベーションを担う若い人材に対する支援を推進するとともに、地方の経済発展に資する施策を重点的に実施すること。

(4) スタートアップへの投資については、地方において幅広い仕事ができる社会を実現するため、地方での創業支援等、スタートアップが全国で創出されるよう取り組むこと。