全国都道府県議会議長会

2 新型コロナウイルス等感染症対策の充実について

令和4年10月25日 決定

 新型コロナウイルス感染症については、新規感染者数が減少しているものの、年末年始に感染が拡大していたことを踏まえ、引き続き感染再拡大に備えた医療提供体制の強化を進めるとともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、感染防止対策に取り組んでいく必要がある。

 また、感染症の拡大が我が国の社会経済活動に多大な影響を及ぼし、人々の生活や価値観を一変させた教訓を踏まえ、今後新たな感染症が発生した場合には、国民の安全・安心の確保のため、感染症の実態を正確に把握し速やかな情報提供を行うとともに、社会経済活動への影響が最小限になるよう、平時から感染拡大時に備えておくことが重要である。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) オミクロン株対応ワクチンについては、重症化や感染予防の効果、今後の変異株への有効性等について国民への丁寧かつ強力な情報発信を行い接種の促進を図ること。また、年末に向けて希望者の接種を早期に進めるため必要な供給量の確保を図ること。

 なお、BA.4/5対応型のワクチンについては、BA.1対応型からの円滑な切り替えを図るため市町村の意向に十分配慮すること。

(2) 生後6か月から11歳のワクチン接種の促進を図るため、引き続き接種の判断に必要な情報を分かりやすく発信すること。

(3) 変異を繰り返すウイルスに対応できるよう、国産の治療薬やワクチンの速やかな製造・販売に向け、重点的に開発支援等を行うとともに、製造販売承認手続の迅速化を行うこと。

(4) 感染拡大時においても、感染症への対応と一般医療や救急医療などが両立できる医療提供体制を確立するため、病床や専門人材の確保等への支援の拡充を図ること。

 また、季節性インフルエンザとの同時流行による医療ひっ迫が懸念されるため、インフルエンザワクチンの十分な供給量を早期に確保すること。

(5) 感染拡大時に保健所が機能不全に陥ることのないよう、保健師等の人材確保や体制強化のための支援を充実すること。

(6) PCR検査等については、検査件数が急増した場合にも十分対応できるよう検査試薬等の安定供給を図るとともに、検査や積極的疫学調査等に対する財政支援を拡充すること。

(7) 新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間は、引き続き、地方公共団体が地域の実情に応じた感染症対策を迅速かつ的確に実施できるよう、十分な財政措置を講ずること。

(8) 新たな感染症の発生及びまん延に備えるため、速やかに国の体制強化を図ること。また、地方との平時からの連携を推進し、感染初期段階から迅速かつ効果的に対応できる保健・医療提供体制の構築に当たっては、地方と十分協議し、必要な財政措置を講ずること。