全国都道府県議会議長会

1 地域経済の早期回復について

令和4年10月25日 決定

 我が国経済は、緩やかに持ち直しているものの、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢に伴う原油価格・物価の高騰等の影響で依然として厳しい状況にある。

 そのうえ、地方では、少子高齢化が進む一方で、女性や若者の東京圏への流出が止まらず、経済はもとより地域社会の活力が低下している状況にある。

 地域経済の発展を図るためには、物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応するとともに、給与水準を上げ、幅広い業種の仕事を創り出すなど、地方において女性や若者が輝ける環境を創出することが重要であり、引き続き地方の活性化のための施策を強力に進めていく必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) 急激な物価高騰により厳しい状況にある生活困窮者への支援を着実に実施するなど、国民生活を守る物価高騰対策を講ずること。

 また、賃金引上げについては一定程度なされてきたが、今後も物価上昇が続くものと見込まれることもあり、企業における賃上げを促進するための税財政上の支援の抜本的強化を図るとともに、最低賃金については、都市と地方の格差是正に配慮しながら、全国加重平均1,000円以上の早期実現に向けて取り組むこと。

(2) 女性が働きやすい環境整備のため、大企業に義務付ける男女間賃金格差の開示の対象企業の拡大及び同一労働同一賃金の更なる徹底を図るとともに、「女性デジタル人材育成プラン」の着実な実施など、男女間賃金格差の解消に向けた取組を推進すること。

(3) DX(デジタルトランスフォーメーション)及びGX(グリーントランスフォーメーション)への投資については、中小企業等が急速に進む環境変化に対応していくため、技術開発や設備導入等への支援の強化を図ること。

 また、成長分野への労働移動が円滑に進むよう、働きながら新たなスキルを学べる環境の整備など「人への投資」に係る施策の抜本的強化を早期に実施すること。

(4) 科学技術・イノベーションへの投資については、イノベーションを担う若い人材に対する支援を推進するとともに、地方の経済発展に資する施策を重点的に実施すること。

(5) スタートアップへの投資については、地方において幅広い仕事ができる社会を実現するため、地方での創業支援等、スタートアップが全国で創出されるよう取り組むこと。