全国都道府県議会議長会

3 道路の整備促進について

令和5年10月26日 決定

 道路は、通勤、通学、救急医療など住民が安全で安心な生活を営んでいくために必要不可欠な生命線であり、さらには、地域振興や地域経済の活性化、災害時における交通の確保のために、優先的に整備すべき社会資本である。

 しかしながら、地方の道路については整備が遅れている地域もあり、大規模災害に備えた国土強靱化の観点からも、引き続き道路整備予算の充実を図るとともに、道路網の整備を重点的かつ計画的に推進する必要がある。

 よって、次の措置を講ぜられたい。

(1) 極めて厳しい地方財政の状況及び地方の道路整備の必要性等に鑑み、地方において資材価格の高騰や賃金水準の上昇が続く中でも必要な道路整備を確実に行えるよう、道路整備予算を十分確保すること。

 また、道路整備の事業評価については、災害時の代替路の確保、救急医療への対応、観光客の増加など、整備による多様な効果を総合的に評価し、事業の必要性を適切に判断する仕組みについて更なる検討を行うこと。

(2) 高速自動車国道の整備については、ミッシングリンクを解消し、早急に全国的なネットワークを形成するため、国の責務として重点的かつ計画的に推進すること。

 特に、暫定2車線区間の4車線化を含め、整備計画区間の早期完成を図るとともに、基本計画区間及び予定路線区間についても、早急に整備計画等を策定し、事業を推進すること。

 また、高速自動車国道に並行・直結する一般国道自動車専用道路についても整備を促進すること。

(3) 高規格幹線道路網を補完し、地域の自立的発展や地域間の連携を支える地域高規格道路の整備を促進すること。

(4) 平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、物流上重要な道路輸送網を指定する重要物流道路及びその代替・補完路の更なる機能強化、整備を図ること。

(5) 高速道路料金制度の見直しに当たっては、料金水準見直しによる発現効果等も検証しながら、物流コストの低減や地域間の交流促進に結びつく、より効果的な料金制度となるよう、今後も引き続き適時、適切な見直しを行うこと。

 また、新型コロナの影響により疲弊した観光業等の需要喚起を図るため、臨時的な割引制度の創設などの取組を実施すること。

(6) 通学路において児童が死傷する交通事故が後を絶たず、また、飲酒運転者や高齢運転者等の交通事故が多発していることから、事故防止、被害軽減を図るため、歩道、防護柵、速度を抑制するハンプ(凸型路面)の設置・拡充、信号機、横断歩道、路面標示、看板の設置・改善など交通安全施設の整備、安全運転サポート車-80や安全運転支援装置の開発促進・普及、飲酒運転の根絶に向けた機運の醸成等の取組、高齢者が運転免許証を自主返納しやすい環境の整備を促進すること。