全国都道府県議会議長会

初代議長山本覚馬公に思いを馳せて

議長写真
平成25年3月
京都府議会議長

近藤 永太郎




 現在、NHK大河ドラマ『八重の桜』が放送されておりますが、作品中に登場する八重の兄、山本覚馬公は明治12年に開設された京都府議会の初代議長を務められた方でもあります。

 覚馬公が議長であった時に、第2代京都府知事でありました槙村正直公が、物価高騰を理由に府議会に諮ることもなく、課税を強化するという追徴課税を布達したことがありました。この知事の専断に対して毅然と立ち向かい、議会と執行部との関係が未だ不明確な議会制度草創期において、地方税の収支予算を議定する権限は府議会に与えられていると主張し、あるべき議会の立場を貫いたのが、覚馬公でした。

 この民権拡張のため議会を率いて敢然と抗議された「地方税追徴布達事件」と呼ばれる事件は、議会による執行機関の監視機能が発揮されていたことをうかがい知ることができる府議会の貴重なエピソードとして、今も語りつがれております。

 地方分権が進展する昨今、これまでにもまして地方自治体の手腕と能力が求められる時代を迎えており、二元代表制の一翼を担う地方議会の役割と責任も、今まで以上に大きなものとなってきていると考えます。

 京都府議会といたしましても、府民の皆様の意見や思いを的確に把握し、効果的かつタイムリーに府政に反映させることにより、その責務をしっかり果たしてまいりたいと強く感じております。

 これまでから京都府議会では、府の施策の点検や評価を行うとともに、課題解決に向けた提言や提案を積極的に行ってまいりました。また、開かれた議会を目指して本会議や常任・特別委員会をインターネット中継することなどはもとより、常任委員会の毎月開催、出前議会の実施、議員提案による条例の制定など、議会機能の充実・強化等に向けた様々な取組を進めてまいりましたが、更なる改革に向けて、まだまだ検討すべき課題も数多くございます。

 府民の信託に応え、府議会の権限を最大限発揮するという議会の使命を果たすため、初代議長山本覚馬公の高い志を肝に銘じ、これからも、取組を進めてまいる所存でございます。

 各都道府県議会及び全国都道府県議会議長会の皆様とともに、真の地方分権社会の実現に向けて、微力を尽くしたいと存じておりますので、今後とも御指導、御鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

京都府議会議長
近藤 永太郎(こんどう えいたろう)

プロフィール

生年月日

昭和25年2月23日

主な議員歴

平成10年4月〜
京都府議会議員(現在5期目)
警察常任委員会、少子・高齢化対策特別委員会、総務常任委員会、京都再生・ブランド戦略特別委員会、議会運営委員会、予算特別委員会の各委員長を歴任
平成23年5月
第76代京都府議会議長