全国都道府県議会議長会

「トリプルパンチからの脱却」と「より開かれた県議会実現」に向けて

議長写真
令和3年10月
熊本県議会議長

小早川 宗弘




 本年3月に第90代熊本県議会議長に就任いたしました小早川宗弘でございます。

 平成28年熊本地震や令和2年7月豪雨の際には、全国の皆様方から多大なご支援をいただき、厚くお礼申し上げます。現在、本県では、熊本地震・令和2年7月豪雨・新型コロナウイルス感染症のトリプルパンチに見舞われ、県政においてこれまで経験したことのない厳しい状況に直面しています。

 こうした中で、本県におきましては、単に震災前の姿に戻すのではなく、より良い姿にする「創造的復興」に取り組んでいます。世界とつながる海の玄関口として「くまモンポート八代」が昨年4月にグランドオープンし、空の玄関口である「阿蘇くまもと空港新ターミナルビル」の完成を2年後に迎えるなど、地域の活性化につながる「創造的復興」が形になっています。また、県内有数の観光地の一つである阿蘇では、国道57号北側復旧ルートや国道325号阿蘇大橋ルート、さらにはJR豊肥本線が開通するなど、アクセスルートの復旧も着実に形になっています。

 令和2年7月豪雨からの「創造的復興」では、国や県、流域市町村、住民の皆様等の力を結集し、「被災地のまちづくりと集落再生」、「すまいの再建」、「道路・橋梁・鉄道の復旧」など、球磨川流域の命と清流を守る「緑の流域治水」プロジェクトに掲げる重点項目に沿って「チームくまもと」の精神のもと、着実な歩みとなるよう県執行部と一体となって全力で取り組んでいるところです。

 また、新型コロナウイルス感染症対策では、感染防止対策と地域経済支援の両立を図りつつ、希望するすべての県民が1日でも早いワクチン接種を終えられるよう、県による大規模接種会場の設置など、市町村と連携し全力で接種体制の強化に努めています。

 この他にも、地方創生への取組みをはじめ、水俣病問題への対応、空港アクセス鉄道、更には有明海・八代海の再生など、重要課題が山積しておりますが、県政を更なる発展へ導き、また、県民に開かれた県政を実現するため、精一杯、諸課題に取り組んで参りたいと考えております。

 本県議会では、各会派の代表者で構成する「熊本県議会改革・活性化検討会」において「委員会審査の充実・活性化」や「議会の透明性」等が検討され、これまでに、常任委員会の分割開催や議長記者会見の開催、県議会議案のホームぺージ公開、フェイスブックによる情報発信などに取り組んでおり、今後も必要に応じて柔軟に対応していきたいと考えております。

 さらに、新型コロナウイルス感染症対策、球磨川の治水等、県民の関心が高い議論の過程を視聴できるよう、委員会のインターネット中継導入の準備を進めており、コロナ禍にあっても、円滑な議会運営と県民の知る権利に応えられるよう改革を進めて参りたいと考えております。

 今後とも、県民に開かれた、身近でわかりやすい県議会を目指し、県執行部と真摯に議論を重ね連携しながら、邁進していきたいと考えております。

熊本県議会議長
小早川 宗弘(こばやかわ むねひろ)

プロフィール

生年月日

昭和42年12月14日

主な議員歴

平成15年4月〜熊本県議会議員(現在5期目)
文教治安常任委員会、総務常任委員会、建設常任委員会、厚生常任委員会、高速交通及び新幹線活用対策特別委員会、有明海・八代海再生及び地球温暖化対策特別委員会、決算特別委員会の各委員長、監査委員を歴任
平成28年2月
第94代熊本県議会副議長に就任
令和3年3月
第90代熊本県議会議長に就任