全国都道府県議会議長会

デジタル化に対応した議会を目指して

議長写真
令和3年11月
高知県議会議長

森田 英二




 本年3月から高知県議会議長を務めております森田英二でございます。

 私は、明治12年の片岡健吉初代議長から数えて、ちょうど100代目の議長という節目をいただきました。

 ただ、昨年来、私の就任以降もコロナ禍が続いており、高知県民はもとより国民にも大変大きな不安と負担が継続しております。

 私自身、この「第100代」を前向きに活用し、晴れの席で大いに県勢を盛り上げたいとの思いでありましたが、現実はご存知のとおりであり大変残念でなりません。さらにこの新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、100年に一度の危機とも言われ、この100繋がりに水を差された気分でもあります。

 一方、デジタル化やグリーン化と言った時代の大きな流れにより、自動車産業界をとってみましても、100年に一度と言われる大変革期を迎えています。こうしたコロナ禍や地球温暖化への対応も、その克服にはこの「デジタル化」と「グリーン化」こそがキーワードになると感じています。

 そうした意味でも今は、先を見据えて未知の分野に果敢に挑戦をし、社会を構造変革させることで乗り切っていく試練の時かもしれません。

 さて、私は7月まで、全国都道府県議会議長会の「都道府県議会デジタル化推進本部」の副本部長を務めさせていただきました。議会としても変革や潮流に、時宜を得た対応が必要であるとも提言いたしました。

 その時に感じましたのは、あまりに急激で急速な社会の変革に私たち政治家は、国民や県民の心や生活に寄り添う職であることを考えますと、自身をどこまで「デジタル化」して良いものか。議員というのは、その職歴や年齢層、経験年数、県民の皆様への寄り添い方など多種多様であります。政治家は「デジタル」にイメージされる無機質とは真反対にある、優しく温かい人間性を丸出しにしたところにあります。政治家としては、仕事の多くを付和雷同に、デジタルに置き換えることには違和感も持ちました。

 とは言え、今やデジタル化の時代に突入したことは間違いありません。そのような功罪も峻別しながら、政治家として社会の先頭に立たなければならないとも考えております。

 最後に、私たち高知県民の目前には、南海トラフ地震への備えをはじめ、人口減少や少子・高齢化、さらにはそれを踏まえた県政の維持・発展など、県単位では容易に克服し切れない大きな県政課題が立ちはだかっています。全国議長会の皆様にも力をお借りしながら、何としても将来に希望が持てる地方行政にしていきたいと心から願って、これからも活動してまいります。

高知県議会議長
森田 英二(もりた えいじ)

プロフィール

生年月日

昭和26年8月16日

主な議員歴

平成11年4月
高知県議会議員に初当選
現在5期目
監査委員、総務委員会委員長、企画建設委員会委員長、議会運営委員会委員長、決算特別委員会委員長等を歴任
平成21年3月
第93代高知県議会副議長に就任
平成25年3月
第92代高知県議会議長に就任
令和3年3月
第100代高知県議会議長に就任