全国都道府県議会議長会

議会の政策形成機能強化を目指して〜

議長写真
令和4年1月
滋賀県議会議長

富田 博明




 昨年4月に第101代滋賀県議会議長に就任いたしました富田博明でございます。また、昨年7月には、全国都道府県議会議長会の国土交通委員会委員長に選任いただき、その職責の重大さに身の引き締まる思いであります。

 さて、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、感染拡大の防止と社会経済文化活動との両立を図っていくことが地方公共団体にとって喫緊の課題となっております。加えまして、人口減少・少子高齢化の進行や頻発化・激甚化する自然災害への対応など、課題は山積しております。

 一方で、こうした課題の克服を目指し、デジタル化の進展やカーボンニュートラルに向けた取組が活発になるなど、既存の制度や価値観を転換しようとする動きが見られます。

 このような変化の激しい中にあって、地方議会には、行政監視機能を一層向上させることに加えて、地域の皆さんの生の声を聴き、地域の課題に精通した議員で構成されている強みを活かして、現場に立脚した政策を立案し、提言するなど、政策形成機能を強化していくことがますます期待されているように思います。

 滋賀県議会におきましては、以前から政策形成機能の強化に向けて取り組んで参りましたが、まだまだできることがあると思っています。さらに前に進めていくためには、議会内部だけではなく、県民や有識者等も交えて活発な議論を行えるよう、協働型の議会へ転換を図ることが重要です。そのため、各委員会で毎年度開催している県民と語り合う「県民参画委員会」を、今年度は開催回数を増やして実施しています。

 併せて、議会審議の充実やペーパレス化を目的として、昨年11月定例会議から各議員にタブレット端末を配置し、運用を始めたところです。昨年6月に全国都道府県議会議長会「都道府県議会デジタル化専門委員会」から公表された報告書にあるように、議会のデジタル化はタブレット端末等の配置や通信環境の整備がゴールではなく、議会・議員活動の高度化、住民との関係の再構築等に結び付けていくことが肝要です。災害時などでも議会機能が維持できるよう危機管理対策として活用することも含め、今後、議会の特性も踏まえつつ、効果的な活用方法を研究していきたいと考えています。

 変化の激しい時代にあっても、多様な意見を受け止め、議論を重ね、意思決定を行う地方議会の本質は変わるものではありません。デジタル化などの新しい変化を議会機能の充実に結び付け、政策形成面でも住民から信頼の得られる議会となるよう取組を進めてまいる所存です。

滋賀県議会議長
富田 博明(とみだ ひろあき)

プロフィール

生年月日

昭和26年12月21日

主な議員歴

平成23年4月〜
滋賀県議会議員(現在3期目)
広域行政対策特別委員会委員長、文教・警察常任委員会委員長等を歴任
令和元年5月
議会運営委員会委員長に就任
令和2年4月
第111代副議長に就任
令和3年4月
第101代議長に就任