全国都道府県議会議長会

地域からの課題解決について

議長写真
令和4年4月
兵庫県議会議長

藤本 百男




 昨年6月に、第124代兵庫県議会議長に就任いたしました藤本百男でございます。

 新たなオミクロン株が昨年末に確認された新型コロナウイルス感染症は、非常に強い感染力で第6波が急激に拡大し、わが国の経済活動のみならず、国民生活に大きな影響を与えています。お亡くなりになられた方々並びにご遺族の皆様に、深く哀悼の意を表しますとともに、治療中の皆様の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

 引き続き、皆様のご協力をいただきながら、感染症の予防・拡大防止と経済活動の回復・拡大に向けた環境整備に取り組んでまいります。

 さて、令和4年度は、任期の最終年となりますが、本県議会にとりましては、平成7年1月17日に発生しました阪神・淡路大震災の影響により、県議選の投開票から任期開始まで約2ヶ月の「空白」が生じている選挙期日と議員任期の「ずれ」が28年ぶりに解消されることから、大きな節目を迎えます。

 この「ずれ」の問題は、震災以降、残された懸案であり、本県議会では、改選のたびに議論を重ねてきましたが、地方自治や民主主義の根幹に関わる難しい課題であり、一致した結論を得ることができませんでした。

 しかしながら、震災から20年目の節目を経て、いわば震災の負の遺産ともいうべきこの問題を我々議員が解決すべきという強い決意のもと、「ずれ」の問題を共有している関係市議会にも強く働きかけ、「ずれ」の解消に向け、地元が一丸となって取り組みました。

 その結果、国におきましては、地元の総意である特例法制定の要望を真摯に取り上げていただくとともに、国会議員の皆様に多大なご尽力をいただき、平成29年5月、国会において、議員立法により、次期議員任期(令和元年〜)を約3年10ヶ月とする「議員等任期の特例法」が制定され、「ずれ」解消の道筋がつきました。

 私も当時、副議長として、この問題に関与していた当事者として、特例法の成立について、とても感慨深かったという記憶が鮮明に蘇ってきます。

 このように地域からの発議により、地域の課題解決のための法律が制定されたことは、地方分権にとって特筆すべき大きな成果であると考えております。

 現下の情勢では、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻による様々な影響、最近頻繁に発生する自然災害等これまで想定されていなかった状況が続き、年々多岐にわたって困難な課題が増加しております。

 それらの課題について迅速かつ的確に対応する責務を負っているのが、二元代表制の一翼を担う地方議会であり、その役割の重要度は、ますます高まってきていると考えます。

 今後も、各都道府県議会の皆様と緊密な連携を図りながら、困難な課題に立ち向かい、地方議会の活性化に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

兵庫県議会議長
藤本 百男(ふじもと ひゃくお)

プロフィール

生年月日

昭和28年10月31日

主な議員歴

平成19年6月〜
兵庫県議会議員(現在4期目)
健康福祉常任委員会及び文教常任委員会委員長を歴任
平成28年6月
第124代兵庫県議会副議長に就任
令和3年6月
第124代兵庫県議会議長に就任