全国都道府県議会議長会

埼玉県議会の機能強化に向けて

議長写真
令和5年1月
埼玉県議会議長

中屋敷 慎一




  昨年3月に、第126代埼玉県議会議長に就任しました、中屋敷慎一でございます。また、昨年7月に全国都道府県議会議長会の地方自治委員長を、昨年9月には都道府県議会デジタル化推進本部の副本部長を拝命いたしました。微力ながら、精一杯職責を果たす所存であります。

  さて、近年は大型台風や新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、これまで経験したことのない危機に見舞われています。また、今後30年以内に約70%の確率で首都直下地震や南海トラフ地震が発生し、大きな被害が生じることが予測されています。こうした中、議会活動を止めることなく業務を継続し、迅速かつ適切に危機管理対応をすることが求められています。

  本県議会では、非常時における議会機能を確保するための計画策定が課題となっていましたので、その足掛かりとして、令和4年9月22日の9月定例会開会日に避難訓練を実施しました。「県内で震度6弱」の首都直下地震が発生したという想定で、地震発生時の議会運営や議事堂内から外への避難について、訓練を行いました。訓練を通じて、身を隠すための議席下の空間が狭いことや、避難場所として想定している議事堂外のスペースが狭いことが明らかになりました。こうした緊急避難時の課題が明らかになったことは大変有意義でした。また、今回の避難訓練の実施で、議員や事務局職員の危機管理意識の向上を図ることができました。訓練の成果や反省点を踏まえて、今後は「埼玉県議会業務継続計画」を策定し、非常時における議会機能の確保に万全を期してまいります。

  また、本県議会では政策立案活動に力を入れており、現在までに全国トップとなる40の議員提案政策条例を制定しました。条例の数が多いだけではありません。「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」や「埼玉県ケアラー支援条例」などは、本県が全国に先駆けて制定し、全国的な広がりを見せています。今後も県内にどのような課題があるのか、アンテナを高くして、敏感に情報をキャッチし、条例制定を積極的に行っていくことで、二元代表制の一翼を担う県議会の責務を果たしてまいります。

  今後も、都道府県議会の皆様と緊密な連携を図りながら、地方自治の発展に努めてまいります。引き続き皆様方のご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

埼玉県議会議長
中屋敷 慎一(なかやしき しんいち)

プロフィール

生年月日

昭和34年8月1日

主な議員歴

平成19年4月〜
埼玉県議会議員(現在4期目)
人材育成・文化・スポーツ振興特別委員長、経済・雇用対策特別委員長、少子・高齢福祉社会対策特別委員長、公社事業対策特別委員長、埼玉県監査委員を歴任
令和4年3月
第126代埼玉県議会議長に就任