全国都道府県議会議長会

魅力あふれるふるさとづくりに向けて

議長写真
令和5年2月
福井県議会議長

大森 哲男




 待ちに待った北陸新幹線が来年3月、金沢から県内に延伸され、敦賀まで開業します。令和8年春には中部縦貫自動車道の県内全線開通が予定され東海北陸自動車道に直結するなど、福井県は今、大都市圏とのアクセスが飛躍的に向上し、人やモノの流れが大幅に拡大する、百年に一度の大きなチャンスを迎えています。

 この好機を最大限に活かすべく、現在、新幹線駅周辺のにぎわい創出や、県立恐竜博物館など観光資源の磨き上げ、「越前がに」や新たなブランド米「いちほまれ」といった食のブランド化などを県民一丸となって進めています。

 本県の更なる発展のため、北陸新幹線の開業までになすべきことと、開業後に腰を落ち着けて取り組むべきことを整理した上で「緩急軽重」の姿勢で臨み、交流人口の拡大のみならず定住人口の増加や企業誘致にもつなげたいと考えています。

 北陸新幹線に関しては、昨年5月に、沿線の6府県議会で構成される「北陸新幹線建設促進沿線府県議会協議会」の会長に就任しました。沿線府県と力を合わせ、一日も早い大阪までの全線開業の実現に向け、力を尽くす所存です。

 また、急激な原油価格の高騰や円安の進展、ロシアのウクライナ軍事侵攻等により電気料金が上昇し、県民の暮らしや地場産業にも大きな影響を及ぼしています。

 国は、原子力の持続的な活用を含むGX実現に向けた基本方針を閣議決定しましたが、全国最多15基の原子力発電所が立地し、わが国のエネルギー政策に大きく貢献してきた立地県の議会として、原子力の必要性への国民的な理解を深めるとともにバックエンドの問題等、様々な課題を確実に解決するよう国に求める意見書を決議したところです。

 これら重要な課題を解決する上で、各議員が現場の多様な意見に耳を傾け、県政に反映させることを通して、県民の負託に応えるという県議会の責務を果たすためには、社会の変化に対応した議会改革を図ることが重要です。

 福井県議会では、議員と議会局職員による県政調査チームの設置など議会の政策提言機能の強化や、一般質問での質問方式の拡充や対面演壇の導入等を進めてきました。

 昨年の9月定例会からは、全議員にタブレット端末を配付し、画面上での資料閲覧やオンラインによる委員会出席を可能とするなど、ICT化も推進しており、来年度は更なる活用策について検討・実行する予定です。

 人口減少や少子高齢化など、地方を巡る情勢は大変厳しいものがありますが、「幸福度ランキング」日本一である本県の強みを更に発展させつつ、来県される多くの方々に「また来たい」、「住みたい」と思っていただけるような魅力あふれるふるさとづくりに、今後も邁進してまいります。

福井県議会議長
大森 哲男(おおもり てつお)

プロフィール

生年月日

昭和29年5月21日

主な議員歴

平成19年4月〜
福井県議会議員(現在4期目)
厚生常任委員会、産業常任委員会、総務教育常任委員会の各委員長を歴任
平成29年5月
第104代福井県議会副議長に就任
令和4年5月
第104代福井県議会議長に就任