全国都道府県議会議長会

地方自治と民意

議長写真
令和5年11月
香川県議会議長

新田 耕造




 香川県議会議長の新田耕造でございます。
 10月26日の第176回定例総会では、皆様に遠路遥々我が香川にご来県いただきまして、本当にありがとうございました。香川の讃岐うどん等の食材はいかがだったでしょうか。
 今回、議員在職50年以上の表彰を受章された栃木県の板橋先生のご挨拶には感銘を受けました。まさに、県議50年の経験に裏打ちされた貴重なお話でした。
 さて、当たり前の話ですが、政治の目的は住民の皆さんが安心して暮らせる社会を目指すことだと思います。
 今回の地方自治法の一部改正で、地方議会の役割や議員の職務等が明確化されました。議会において、我々は様々な判断を行わなければなりません。判断を行う上で大変重要なのは情報であります。
 しかしながら、世の中には情報が溢れています。既存の新聞、雑誌、テレビ、ラジオの情報が氾濫しています。犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる、という例え話のように、マスコミの特徴は非日常の事柄がニュースになるという特質があり、注意しなければなりません。また、今やネットを使えば、個人が放送局となり簡単に嘘の情報を流すこともできる社会であります。何が本当で何が嘘なのか、わからない社会になっています。メディアをそのまま信じないメディア・リテラシーの必要性が高まっています。
 私の住む香川県は日本一小さな県ですが、地域、地域で文化や伝統があり、方言も地域で違います。例えば、秋祭りでは一般的な獅子舞を行う地域と“ちょうさ”と呼ばれる太鼓台で行う地域などがあります。
 同様に、全国の各県、各地方において、様々な行事や催しが行われていると思います。
 これらは、それぞれの地域の伝統や文化などが積み重なってできたもので、一朝一夕にできたものではないと思います。長い年月を経てきたものには、何らかの価値や理由があると思います。
 地方自治はそういう地域の実態に即したものでないといけないと思います。
 二元代表制のもとで地方行政は執行部と議会の多数決の議決により実現しております。これを否定すると民主主義は成り立ちません。
 そこで、議会における民意とは何かを考えます。
 先ほど申し上げたような情報が氾濫する中で、そして様々な意見や主張がある中で、我々地方議員は住民により直接選挙で選ばれ、その権能の一部を住民から負託を受けております。
 そして、我々への審判は4年毎の選挙において下されます。
 国政は別ですが、地方行政については、本当に精査された民意を表すのは選挙により負託を受けた我々議員の議会であり、我々はその自覚と責任と誇りをもって議会活動に取り組まなくてはならない、と思うのであります。

香川県議会議長
新田 耕造(にった こうぞう)

生年月日

昭和25年3月15日

主な経歴

平成19年4月〜
香川県議会議員(現在5期目)
地方創生特別委員会、環境建設常任委員会、県立体育館整備等に関わる特別委員会、総務常任委員会の各委員長、監査委員を歴任
令和4年4月
第97代香川県議会副議長に就任
  
令和5年5月
第95代香川県議会議長に就任