全国都道府県議会議長会

議会改革への想い

議長写真
平成25年11月
神奈川県議会議長

古沢 時衛




 本年5月に神奈川県議会議長に就任いたしました古沢時衛でございます。7月には、全国都道府県議会議長会の副会長に選出されましたが、伝統と職責の重さを日々痛感しております。

 さて、昨年12月の政権交代以降、アベノミクスに象徴される国策の大転換により、経済は着実に回復の兆しを見せております。しかし、その効果は地方から拝見するとまだまだ限定的で、実感の伴わない地域が少なくないものと思われます。景気対策のみならず、東日本大震災からの復興対策等でも、これからが正念場であるという総理のお考えは誠に正鵠を射たものと受け止めているところです。

 一方、私どもの神奈川県では、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の一部である「さがみ縦貫道路」が来年度にも全線開通する予定となっております。本県では、開通による地域間アクセスの向上も展望して、この沿線を中心に国から「さがみロボット産業特区」の指定を受け、生活支援ロボットの実用化等に取り組んでいます。今後、高齢者を標準とした社会を目指していく中で、健康、医療、住環境等の多様なニーズが想定されることから、この特区を中心としたロボットの活用等を通じて、県民福祉の向上と県内経済の活性化を目指しております。

 併せて本県では、京浜臨海部を中心に「ライフイノベーション国際戦略総合特区」の取組も推進しており、県と横浜市、川崎市が連携して、京浜臨海部に集積する地域資源を最大限に活用しつつ、医薬品・医療機器産業の活性化等による経済成長とライフイノベーションの実現に向けた施策を展開しております。

 本県では、この2つの特区を軸として、県内経済のエンジンを回しながら、神奈川の豊かな未来づくりに貢献したいと考え、企業の誘致や規制緩和等の具体化に向けて、市町村とともに取り組んでいるところです。

 このように独自の施策が打ち出せるのは、平成5年の国会における「地方分権の推進に関する決議」以来、地方の自己決定権が拡大してきたことが背景にあると考えます。もとより、二元代表制の一翼を担う地方議会でも、執行機関を監視、チェックし、政策立案していくという役割が執行機関同様に拡大しており、同時に経理面やICT化の問題等、県政の諸課題の解決に専門性を求められる場面が増加しています。それだけに、住民からの負託と期待に応えていく上で、議会や議員自体が研鑽し、自己改革していく必要があると強く思います。

 こうした様々な想いを胸に、全国都道府県議会議長会の副会長としても、少しでも貢献ができればと考えておりますので、今後とも皆様方の温かいご指導、ご鞭撻を切にお願い申し上げます。

神奈川県議会議長
古沢 時衛(ふるさわ ときえ)

プロフィール

生年月日

昭和20年9月9日

主な議員歴

平成3年4月〜
神奈川県議会議員(現在5期目)
文教常任委員会、予算委員会、総合計画調査特別委員会、議会運営委員会の各委員長を歴任
平成25年5月
第106代神奈川県議会議長に就任