全国都道府県議会議長会

第三の変革期を乗り越えるために

議長写真
平成24年7月
岡山県議会議長

内山 登




 岡山県議会議長の内山登でございます。

 本年5月に第63代岡山県議会議長に就任し、また、全国都道府県議会議長会の理事の職も引き継ぎ、その使命と責任の重さに身の引き締まる思いであります。

 さて、現在の日本は、明治維新、第二次世界大戦後に続く、第三の変革期にあると言われております。近代日本は過去の二度の大きな変革期を、国民の叡智と努力によって乗り越えてまいりました。そして今、第三の変革期と言われているにもかかわらず、「失われた20年」という言葉が払拭できないでいます。

 なぜ、このような状況に陥っているのでしょうか。私は、中央集権体制を完全な地方分権に移行する改革が実現していないために、停滞を余儀なくされていると思えてなりません。地方が一丸となり、国に対して分権型社会に向けた制度改革を求めていくことは今後も必要です。一方で、地方の側も互いに切磋琢磨することによってそれぞれが成功モデルを作り、これを全国に伝播させることで地方から国を変えていく、そのような気概が必要なのではないかと考えています。

 私は、岡山の地でこのようなモデルを作るには、次の三つのことを実現していくべきであると考えています。

 一つめは、行財政改革であります。本県でも、長年にわたり行財政構造の抜本的な改革に取り組んでまいりましたが、選択と集中を徹底し、知恵を使いながらさらに成果を挙げていかなければなりません。

 二つめは、殖産興業であります。岡山県南地域など新産業都市の石油コンビナートは、戦後の高度経済成長の原動力となりましたが、今後はこうした重厚長大産業だけでなく、情報・通信のような軽薄短小産業や、医療・観光といったサービス型の新産業を育成し、新たな富を創出するための改革に取り組まなければなりません。

 かつて幕末期の備中松山藩で、山田方谷が藩政改革を行い、節約をする一方で新たに富を得ることによって改革を成功させましたが、そのような展開が求められています。

 三つめは、教育であります。すべての根幹をなしているのは教育であると認識しています。教育県岡山を再生し、この岡山を子ども達の瞳に光があふれる岡山に変え、本県の発展につなげていかなければなりません。

 このような改革を推し進め、県政を躍動感あるものに導いていくため、県議会としても、政策提案能力を最大限に発揮することが求められています。本県でも議会改革の一環として、本年6月定例会から一問一答方式を導入し、論戦に従来にない緊張感が生まれました。県民の皆様の負託と信頼にこたえるため、議会審議の一層の活性化に努め、全身全霊をかけて職に当たってまいる所存であります。

岡山県議会議長
内山 登(うちやま のぼる)

プロフィール

生年月日

昭和30年4月6日

主な議員歴

平成7年4月〜
岡山県議会議員(現在5期目)
広域交通・物流対策特別委員会、商工労働・警察委員会、文教委員会、土木委員会の各委員長及び監査委員を歴任
平成22年5月
第61代岡山県議会副議長に就任
平成24年5月
第63代岡山県議会議長に就任