全国都道府県議会議長会

和して同ぜず

議長写真
平成26年8月
秋田県議会議長

能登 祐一




 昨年5月に、第64代秋田県議会議長に就任いたしました能登祐一でございます。戌年生まれで、座右の銘は論語の「和して同ぜず」。そのためか、本音で心からの調和を図ろうとしますが、うわべだけの言葉や態度、筋が通らないことには、相手が誰であろうとすぐに噛みつく癖があります。

 さて、本県では今年の10月4日から11月3日まで、全市町村を会場に「第29回国民文化祭・あきた2014」を開催します。テーマは「発見×創造 もうひとつの秋田」であり、全国各地で文化活動に親しむ個人・団体が日頃の成果を披露し、相互の交流を図るとともに、本県が誇る伝統文化を全国に発信する絶好の機会ともなりますので、県民とともに皆様の御来県を心からお待ちしております。

 近年、全国的に議会改革の取組が行われておりますが、本県議会におきましても、定例会の年2回制導入や議員定数の削減、更には議員会館の廃止や政務活動費の使途基準の見直しなど、様々な議会改革を実施し、現在も更なる改革に向けて協議を行っているところであります。

 そのような中、政務活動費の不適切な支出をはじめとする問題が報道され、「地方議員の資質に疑問あり」とまで言われておりますことは、遺憾に堪えないところであります。私たち地方議員は、政務活動費交付の趣旨や支出の可否判断と収支報告の説明責任が全て議員にあることなどを、今一度深く認識した上で、より積極的に政務活動を行うとともに議員同士の活発な議論により切磋琢磨することで、自らの資質を一層高めていく必要があるものと考えます。

 今、地方では少子高齢化が進み、雇用の促進等、地域の活性化が重要な課題となっております。国や他の地域に同調して「右倣え」をするのではなく、自らの地域の強み弱みを分析し、そこから得た独自の発想とパワーで殻を打ち破り、地域を元気にしていかなくてはなりません。国政でもTPPの交渉参加や近隣諸国との領有権、更には北朝鮮による拉致問題など、外交面で非常に難しい局面に至っております。真摯に話し合い、互いに理解し協調することが求められますが、我が国の国益を損なう恐れがある場合には、相手の主張に流されることなく、反対の意思とその理由を明確に説明しなければなりません。まさに「和して同ぜず」であります。

 私は、今後とも県民の声に真摯に耳を傾けながら、知事をはじめとする執行機関と是々非々の立場で議論を交え、和して同ぜず、公正な議会運営と県勢の更なる発展のために努力を重ねてまいりたいと考えております。

秋田県議会議長
能登 祐一(のと ゆういち)

プロフィール

生年月日

昭和21年8月11日

主な議員歴

平成3年4月〜
秋田県議会議員(現在5期)
農林水産委員会、産業労働委員会、産業観光委員会、予算特別委員会、議会運営委員会の各委員長等を歴任
平成25年5月
第64代秋田県議会議長に就任