新たな時代に向けた議会づくりについて
富山県議会議長
山辺 美嗣
本年3月に第120代富山県議会議長に就任いたしました山辺美嗣です。私は、本年7月に開催された全国都道府県議会議長会定例総会で副会長に選任されました。折しも、 全国都道府県議長会は、このたびの地方自治法の改正を受けて、通年議会が可能となるなど標準会議規則や標準委員会条例の見直し、さらには名称と内容が改正された政務活動費に係る使途基準づくり等に取り組むこととなり、時間が非常に限られておりますが、本県では各会派代表者会議において検討を進めるとともに、全国の議会の皆様方のお力添えを賜り、この改正が意義あるものとなりますよう、力いっぱい努めますので、どうかよろしくお願い致します。
さて、わが国の地方自治制度は知事と議会の二元代表制の下、車の両輪に例えられ、議会の役割は、議決により県の意思決定を行うとともに、執行機関を民主的に監視・評価することとされてきたところであります。しかし現実は、議会に求められるものに対して実際に果たしうる機能が極めて限定されています。
本県議会では、その突破口として平成14年度より議員提案で政策条例に取り組んでいますが、近年では、平成22年度に「富山県商工業者等によるにぎわいと魅力あるまちづくり推進条例」及び「富山県適正農業規範に基づく農業推進条例」を制定してきたところであります。さらに現在は、「がん対策推進条例」の制定に向けて、準備を進めているところであります。
また、平成26年度中に富山県に北陸新幹線が開業する予定となっておりますが、それと同時にJR西日本から経営分離され第3セクターの経営となる「並行在来線」は赤字を免れられないなど、維持に向けての問題がクローズアップされております。昨年、私は、新幹線・総合交通対策特別委員会委員長を拝命しておりましたが、委員会においてこの問題について県内外の有識者及び関係者の意見を聞く必要を感じたことから、本県議会史上初めて、当委員会にJR西日本を含め10名の参考人を2日間にわたって招致し、議員はもとより傍聴に訪れた多くの県民からも有意義であったと賛意をいただいたところです。
都道府県議会には、議員の地位の確立や議会事務局の調査機能の拡充など更なる課題が残されていますが、議会活動の充実強化に微力ではありますが、今後とも全力を傾注してまいりたいと考えております。
富山県議会議長
山辺 美嗣(やまべ みつぐ)
プロフィール
生年月日
昭和27年4月4日
主な議員歴
- 平成7年4月〜
- 富山県議会議員(現在5期目)
建設企業常任委員会、厚生環境常任委員会、少子高齢対策特別委員会、新幹線・総合交通対策特別委員会の各委員長を歴任 - 平成24年3月
- 第120代富山県議会議長に就任