全国都道府県議会議長会

世界に発信する沖縄

議長写真
平成29年5月
沖縄県議会議長

新里 米吉




 平成28年6月に第17代沖縄県議会議長に就任いたしました新里米吉でございます。

 最近の沖縄県の動きとして、去る3月4日に「空手発祥の地・沖縄」を国内外に発信することを目的として「沖縄空手会館」が開館しました。

 2020年東京オリンピックの正式種目に決定した空手は、今や世界中に1億人以上の愛好家がいると言われております。このほど開館した空手会館は、沖縄が世界に誇る文化である空手の保存・継承・発展に取り組むための拠点として整備したものであり、国内外の空手関係者だけではなく、空手経験のない方々や観光で訪れる皆様にも楽しんでいただける施設となっております。

 また、昨年は、5年に一度の「世界のウチナーンチュ大会」が10月26日の前夜祭パレードを皮切りに、10月30日にかけて開催されました。「ウチナーンチュ」とは、沖縄の人のことを指す方言です。

 戦前、戦後を通して沖縄県から世界各国に移民した多くのウチナーンチュは、1世紀を超える歴史の中で、それぞれの国や地域において沖縄の伝統や文化を継承しつつ、懸命な努力によって生活基盤を築き、独特のコミュニティを作り上げてきました。現在では移民世代の子孫も含め、海外に42万人の沖縄県系人がいると言われております。世界各国に住むウチナーンチュが、母県である沖縄に集い、そのルーツやアイデンティティを確認するという一大イベントが、「世界のウチナーンチュ大会」であり、昨年開催された第6回大会は、世界29の国や地域から7,353人のウチナーンチュが集い、4日間の来場者数は延べ42万9千人で、大盛況のうちにフィナーレとなりました。

 さらに、昨年は、クルーズ船の寄港回数の増加や海外からの航空路線の新規開設なども相次ぎ、4年連続過去最高となる約877万人の入域観光客数を記録しました。

 一方で沖縄は、先の大戦で多くの尊い命と貴重な文化遺産を失いました。現在も、広大な米軍基地に起因する様々な事件事故が発生しており、沖縄県議会は、県民の生活と暮らしを守るために意見書等を可決し、常に日米両政府に対し、抗議、要請し続けなければならない現実があります。

 このような歴史の中で、本県は、国際平和の創造に貢献することを目的として「沖縄平和賞」を平成13年度に創設し、授賞式は2年に1回行われます。この平和賞は沖縄と地理的・歴史的に関わりの深いアジア太平洋地域の平和の構築・維持に貢献する活動を行っている個人・団体に贈るものであります。

 我々沖縄県議会議員は、国際化に対応し、沖縄独自の伝統文化や美しい自然、そして平和を希求する「沖縄の心」を、引き続き世界に発信できるよう、人材の育成や那覇空港第二滑走路などのインフラ整備の充実を図るとともに、本県のリーディング産業である観光産業を中心とした沖縄の経済がますます発展するよう、県民の要求を的確に把握し、実効性のある施策に反映させていく重責を担っております。

 今後とも、各都道府県議会の皆様と意見交換をしながら、議会改革や地方議会の活性化に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

沖縄県議会議長
新里 米吉(しんざと よねきち)

プロフィール

生年月日

昭和21年6月10日

主な議員歴

平成12年6月〜
沖縄県議会議員(現在5期目)
文教厚生委員会、土木環境委員会、総務企画委員会、経済労働委員会、米軍基地関係特別委員会、識名トンネル工事契約問題調査特別委員会等の委員、議会運営委員会の副委員長、決算特別委員会委員長を歴任
平成28年6月
沖縄県議会議長に就任