全国都道府県議会議長会

震災からの復興とILC誘致の実現に向けて

議長写真
平成31年4月
岩手県議会議長

佐々木 順一




 多くの尊い命が失われた東日本大震災津波発災から8年が経過しました。発災から現在に至るまで全国の皆様方から多大なる御支援をいただいておりますことに、心より感謝申し上げます。

 本県においては、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」を基本目標とする、幸福に着目した「いわて県民計画(2019〜2028)」を県議会の全会一致により策定しました。計画では、復興に最優先で取り組むとともに、全ての県民が希望をもつことのできる岩手を実現するため、復興の教訓を未来に向けて伝承・発信していくとともに、国際リニアコライダー(ILC)の実現を目指す取り組みなどを進めることとしています。

 復興への取り組みとして、本年6月から、復興に力強く取り組む地域の姿を発信し、記憶と教訓を伝え、国内外の防災力の向上に貢献する広域的・総合的な防災復興行事「三陸防災復興プロジェクト2019」を開催するとともに、9月には、釜石鵜住居復興スタジアムにおいてラグビーワールドカップ2019TM 日本大会が開催されます。

 本県の復興の象徴である三陸鉄道については、JR東日本から山田線の宮古−釜石間の移管を受け、岩手の海岸線が一つの路線としてつながり、第三セクターとしては日本一長い路線となる三陸鉄道「リアス線」として本年3月23日に全線開通しました。三陸鉄道の全線開通は県民が心から待ち望んでいたものであり、震災からの復興と三陸地域の更なる振興に向けての牽引力となるものと期待しております。

 また、ILCの誘致実現に向けては、全国の議会においても心強い後押し、御協力をいただいておりますことについて、改めて御礼申し上げます。

 ILCは、日本が初めて主導する国際プロジェクトであり、基礎科学の研究に飛躍的な発展をもたらし、世界最先端の研究を行う多くの人材が定着・交流する国際科学技術イノベーション拠点の形成、精密実験を支える先端産業の集積につながることから、科学技術創造立国の実現や、高度な技術力に基づくものづくり産業の成長発展に大きく寄与し、日本再興や地方創生にも資するものと期待されております。本県議会としても誘致に向け引き続き全力で取り組む所存ですので、今後とも誘致実現に向けて御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 4月1日、新しい元号「令和」が発表され、「平成」も残すところあとわずかとなりました。平成に続く時代が皆様一人ひとりにとって希望溢れる時代となりますようお祈り申し上げます。

岩手県議会議長
佐々木 順一(ささき じゅんいち)

プロフィール

生年月日

昭和27年1月29日

主な議員歴

平成11年4月〜
岩手県議会議員(現在5期目)
予算特別委員会、総務委員会、災害対策特別委員会、東日本大震災津波復興特別委員会の各委員長を歴任
平成29年9月
第51代岩手県議会議長に就任