全国都道府県議会議長会

県議会における新型コロナウイルスへの対応について

議長写真
令和2年10月
愛媛県議会議長

戒能 潤之介




 愛媛県議会第108代議長の戒能潤之介でございます。

 平成30年7月の西日本豪雨災害の際には、全国の皆様方から多大なご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。現在、本県では、この豪雨災害からの復興を最重要課題と位置づけ、被災者支援をはじめ、柑橘王国愛媛を支える園地の復旧等の産業復興に全力を挙げて取り組んでいるところです。

 本県議会では、この災害対応を契機として、平成30年10月、議会基本条例に「大規模災害その他の緊急事態への対応」を規定する改正を行い、有事の際は、迅速かつ的確に状況把握に努め、知事等に対する情報提供や提言等を行うこととしました。

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、まさに緊急事態であり、議会運営においては、感染症対策に配慮した議席の変更、飛沫防止フイルムの設置、傍聴者の検温や席数の調整など、ハード・ソフトにわたる対策を取るとともに、1日も早い感染拡大の防止や地域経済の立て直しを図るため、定例会や臨時会を通じて、保健、医療、福祉、産業、教育など幅広い分野にわたる施策の審議を慎重かつ速やかに進めたところです。緊急事態に直面した際、最も求められるのはスピード感であり、この共通認識を持った県議会と執行部による円滑な議会運営が、迅速な予算成立に繋がったものと考えています。

 また、議長を本部長とする「県議会新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、理事者との情報共有や対策の協議を行うとともに、各議員が掘り起こした県民の切実な声を集約して知事に要望したほか、国に対して地方と連携した感染拡大防止等を求める意見書案や、医療従事者等に対する敬意・感謝の表明と差別・偏見の根絶を目指す内容の決議案を取りまとめるなど、会派の枠を超えて活動しているところです。

 このほか、需要が低迷した地域産品の販売を促進・支援するため、全議員の負担による議場内の生花の設置や県産品の購入、初の試みとなる議事堂内での県産品販売会の開催など、様々なアイデアの実現と情報発信を通じて、広く需要喚起にも取り組んでいるところです。

 引き続き、時々刻々変化する社会情勢を見極めながら、あらゆる危機に備えて「県民の命と財産を守る」という強い決意と信念のもと、目下のコロナ禍という難局を乗り越えるとともに、アフターコロナも見据えた地域社会の構築に全力で取り組んでいきたいと考えております。

 終わりに、本県には、日本最古といわれる道後温泉のほか、国土交通省のナショナルサイクリングルートに指定された「しまなみ海道サイクリングロード」など、豊かな自然を舞台にしたアクティビティも充実しておりますので、今後のご旅行先の候補としていただければ幸いです。

愛媛県議会議長
戒能 潤之介(かいのう じゅんのすけ)

プロフィール

生年月日

昭和37年7月8日

主な議員歴

平成11年4月〜
愛媛県議会議員(6期目)
警察経済委員会、建設委員会、文教警察委員会、環境保健福祉委員会、議会運営委員会の各委員長を歴任
平成28年3月
第101代愛媛県議会副議長に就任
令和2年3月
第108代愛媛県議会議長に就任