全国都道府県議会議長会

「新たな課題に機敏に対応できる県議会」を目指して

議長写真
令和3年1月
神奈川県議会議長

嶋村 ただし




 昨年5月に、第113代神奈川県議会議長に就任しました嶋村ただしでございます。就任以来、その職責の重さを感じながら、日々職務に臨んでおります。

 新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の収束が未だ見通せない中、本県においても、新型コロナ対策が喫緊の課題であります。

 新型コロナについては、本県議会として「議会災害等対策会議」を設置し、県議会の対応を協議したり、新型コロナに関する県民意見を聴取するためのメールフォームを設置し、議会審議の参考にしたりするなどの取り組みを進めております。

 また、新型コロナの感染拡大や昨今の台風等の発生状況を考えますと、より迅速な判断や行動が必要な緊急事態発生時における議会としての基本的対応を予め定めておくことは、極めて重要であることから、昨年12月に「神奈川県議会基本条例」を改正し、緊急事態における、本県議会としての対応の基本原則を新たに定めたところです。

 本県では、これら新型コロナ対策以外にも、今夏に開催が延期された東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた対応、平成28年7月に県立津久井やまゆり園で起きた痛ましい事件を決して忘れず、真の共生社会として「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指す取り組み、急速に進むICT化への対応など、様々な課題を抱えており、本県議会としても取り組みを進めているところです。

 「ともに生きる社会かながわ」の実現に向けては、これまでも、本会議の代表質問において手話通訳を実施し、これをインターネット中継でも配信してきました。これに加え、昨年11月には、音声認識クラウドサービスを活用し、本会議の傍聴者向けに音声文字化の試行を開始しました。

 このほかICT化等への対応については、全議員にモバイルパソコンを配備し、クラウドサービスを活用した議会資料のペーパレス化に取り組むとともに、議会活動をより多くの方に知っていただくため、写真を多く掲載したフェイスブックによる広報にも力を入れております。

 本県議会は、二元代表制の一翼を担う機関として、民意を代表する105人の議員の多彩な議会活動を通じて、920万県民の多様な意見を集約し、県政に適切に反映させることを使命としております。これからも、各議員が切磋琢磨し、不断の議会改革を進め、県政の様々な課題について県執行機関と審議を尽くし、時代の変化、環境の変化による「新たな課題に機敏に対応できる県議会」を目指してまいります。

 各都道府県議会並びに全国都道府県議会議長会の皆様には、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

神奈川県議会議長
嶋村 ただし(しまむら ただし)

プロフィール

生年月日

昭和31年5月14日

主な議員歴

平成15年4月〜
神奈川県議会議員(現在5期目)
防災警察常任委員会、県民企業常任委員会、予算委員会、ヘルスケア・ニューフロンティア政策調査特別委員会、議会運営委員会、かながわグランドデザイン調査特別委員会の各委員長を歴任
令和2年5月
第113代神奈川県議会議長に就任