全国都道府県議会議長会

コロナ禍を超え魅力ある新潟県を目指して

議長写真
令和3年4月
新潟県議会議長

桜井 甚一




 新潟県議会議長の桜井甚一でございます。

 私が議長に就任したのは昨年7月で、ちょうど新型コロナウイルス感染の第2波が始まったころでした。県境をまたいでの移動に慎重な判断が必要となり、全国都道府県議会議長会を始め、例年開催されている様々な会議が中止や書面開催となるなど、各都道府県議会の皆様と交流する機会が少なくなってしまったことは大変残念でした。

 本県でも昨年12月から県独自の警報が発令され、県内各地でクラスターが発生するなど、新規感染者数は高止まりの状態が続いています。ワクチン接種が各地で行われはじめましたが、全国民に行きわたるには未だ時間を要し、息の長い取組みを続けていく覚悟が必要と感じています。

 こうした中、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え、働き方も含め様々な生活様式が変容するとともに、今後、人や企業が地方に分散していく流れも拡大していくのではないかと期待しております。ワーケーションの誘致など、全国でもこうした取組みが進んでいくものと思われますが、本県でも、新潟の強みや財産を生かし、新潟が選ばれる地域となるよう、新年度予算の審議等を通じて、活発な議論を交わしているところであります。

 改めて申し上げるまでもなく、県議会には地方自治の二元代表制の一翼を担う機関として、執行部に対する監視機能と政策提案機能をより充実していくことが求められており、引き続き予算の執行状況やその成果を注視していきたいと考えています。

 本県議会では、全国的にもあまり例がない取組みとして、定例会毎に4つの常任委員会が一堂に会し、全議員が出席した中で質疑を行う連合委員会を開催しています。本会議、常任委員会での質疑を経ても、なお乾かない事項について一問一答形式で知事に直接ただすことができる場であり、議員と知事とが緊張感を持ちながら、丁々発止のやり取りを交わしています。また、この4月には閉会中審査により、連合委員会を開いて東京電力幹部を参考人招致し、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に係る不正事案や安全確保対策について直接ただすなど、本県議会の機能をより充実させるツールとして活用しています。

 人口減少と経済の低迷、加えて県庁の財政危機という大変な状況下でコロナ禍への対応という難局に直面しておりますが、このような前例のない事態に立ち向かうためには、前例主義を打破し、発想の転換により政策を実行していくことが重要になります。コロナ禍を乗り越え魅力ある新潟県を実現し、ひいては我が国の発展につながるよう、今後とも全力を挙げて取り組んでまいります。

新潟県議会議長
桜井 甚一(さくらい じんいち)

プロフィール

生年月日

昭和27年7月11日

主な議員歴

平成15年4月〜
新潟県議会議員(現在5期目)
産業経済委員会、建設公安委員会、総務文教委員会、企業会計決算審査特別委員会、議会運営委員会の各委員長を歴任
令和元年5月
第101代新潟県議会副議長に就任
令和2年7月
第98代新潟県議会議長に就任