TOP議長随想 > 平成27年10月 前芝 雅嗣 和歌山県議会議長

議長随想

〜「課題解決先進県議会」を目指して〜

 本年5月に第86代和歌山県議会議長に就任いたしました前芝雅嗣でございます。6月には歴史と伝統ある全国都道府県議会議長会の副会長を拝命し、その使命と責任の重さを日々痛感しております。地方自治の発展や地方が抱える様々な課題の解決に向け、微力ながら精一杯その職責を果たして参る所存です。
 近年、我が国はこれまでに経験したことのない人口減少社会に突入し、また、南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模自然災害の発生が危惧されるなど、様々な国家的課題が山積しており、それらの解決に向けた取組の加速化が急務となっております。東京大学の元総長で三菱総研理事長の小宮山宏氏の著書 に『課題先進国日本』というものがあります。その中で氏は、我が国が世界に先駆けて少子高齢化、医療、住宅、教育、エネルギー等の様々な難問に直面していることを述べられていますが、その焦点をさらに地方レベルにまで絞ってみると、「課題先進県」としての和歌山県の姿が見えてきます。
 半島に位置し、県内市町村の6割が過疎地域に指定されている和歌山県は、少子高齢化や人口減少の進展において不本意ながら先頭集団を走っており、それ故に先頭に立ってその解決に向けた答えを導き出さねばなりません。これは大変な困難を伴う険しい道ですが、悲観してばかりではいられません。小宮山氏は同書において、日本は世界より一足先に様々な課題に直面するが、それらをいち早く解決していくことで世界の一歩先を行く「課題解決先進国」になることができるし、我が国にはその能力があるということをおっしゃっています。私は、進取の気性と創意工夫の伝統が根付いた本県が進むべき道はまさにこの道であり、「課題解決先進県」として日本を牽引していくことも十分に可能であると考えています。
 そして、そのために県議会が果たすべき役割は、当然これまで以上に大きなものとなります。平成5年に衆参両議院において「地方分権の推進に関する決議」が全会一致で可決されて以降、機関委任事務制度の廃止や義務付け・枠付けの見直し、国から地方への事務・権限の移譲といった地方分権改革が着実に進められてきましたが、地方が必要な権限と財源を持ち、自らの責任において自らの地域の在り方を決定する真の地方自治を確立するためには、より一層の改革が必要不可欠であります。
 和歌山県議会においても、地方自治の本旨である住民自治と団体自治の強化に向け、議員提案政策条例の制定や質疑・一般質問における一問一答方式の導入など議会改革の取組を積極的に進めるとともに、県当局と車の両輪となって山積する様々な行政課題への解決策を日々模索しているところです。現状に満足することなく、「課題解決先進県議会」として全国の都道府県議会の範となれるよう、更なる努力を続けて参りたいと考えております。
 「各都道府県議会間の連絡を保ち、地方自治の発展を図る」。この設立目的を達成するため、全国都道府県議会議長会は1つ1つでは小さな地方の声を1本の強靱な矢として束ね、90年以上の長きにわたりその矢を幾本も国に対して放ってきました。その結果、地方自治の発展を妨げる数々の問題を見事に射抜き、今日の地方が主役となる時代の礎を築きました。しかし、地方分権改革は未だ道半ばであります。本会の役員の1人として、少しでもその道を前進できるよう精一杯取り組んで参りますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

和歌山県議会議長
まえしば  まさつぐ
 前 芝 雅 嗣

プロフィール
生年月日
昭和23年7月16日
主な議員歴
平成15年4月〜和歌山県議会議員(現在4期目)
          建設委員会、総務委員会、経済警察委員会の各委員長を歴任
平成23年5月  第87代和歌山県議会副議長に就任
平成27年5月  第86代和歌山県議会議長に就任